2012年2月 6日月曜日
2月に入るといよいよ試験週間が始まります。そのためCIKは1月に3回活動を行いました。その最後が1月25日(水)に元幌加内町長の森谷さんをお迎えして「首長の立場で考える地域医療」についてご講演をいただきました。
森谷さんは役場課長職をいくつか経験された後に助役を経て平成17年から22年まで町長の職務に就かれていました。幌加内と言うと、日本最大のそば作付面積(幌加内そばで有名)、朱鞠内湖:”いとう”やワカサギ釣り、鉄道ファンなら旧深名線(廃止)、日本最寒気温-41.2℃(昭和53年)などが知られています。
人口1700人、高齢化率40%、南北に細長く(63㎞)生活医療圏は、北部が名寄市(名寄市立総合病院)、中部は士別市(士別市立病院)、南は旭川市や深川市(旭川市内の病院や深川市立病院)となっているそうです。北海道の真ん中、山間部に位置するため隣接する医療期間へのアクセスは峠を越える必要があり便利が良いとは言えません。そのため町の北部に3つの無床診療所と幌加内町に42床の療養・介護病床を持つ病院を配置しています。3つの診療所は1人の先生が曜日を決めて巡回診療に当たり、町立病院には3名の常勤医がいます。僻地の病院に3名も!!驚きですね。でも、みなさん希望されて来られたそうです。ここにこの町の医療がうまく回るヒントがあると感じました。
平成9年より縁あって佐賀医大総合診療部から常勤医2名が派遣されるようになり、病院運営が安定するようになったそうです。それまでは、医師確保に苦労され、病院の地元での信頼も十分ではなかったそうです。佐賀医大から派遣された医師は数年毎に変わりますが、常勤医が確保されたことで医療の質が担保され病院の信頼が向上、町民の町外流出が減り2重診療(町内病院と町外病院の2重受診)が減ったそうです。このことは医療費、保険費用の抑制につながりました。病院の収支を見ると平成10年から黒字(1900万)に転じています。平成14年度制度変更に伴い病床を変更したことから2000万円の赤字に転落、翌平成15年から再び1500万年の黒字になりますが、平成17、18年に診療報酬、医療制度改革があり平成18年は8700万の赤字に再び転落、しかし、ここの町のすごいのは平成21年度から再び500~600万円程度の黒字を出している事です。補てんはせずやりくりを上手にしています。多くの自治体病院が多額(億単位)の赤字に苦しんでいる状況の中、きちんと身の丈に合った医療を展開、住民目線にたち、経営改革に行政として真剣に取り組んでいる姿勢は素晴らしい!!と絶賛します。みなさんに気付いてほしい事があります、それは医療制度改革や診療報酬改定の度に同じ診療内容であっても赤字になってしまう理不尽なことが起きている事です。
さらにこの小さな田舎の町立病院に医師が集まる理由があります。幌加内町はワクチンの公費補助を全国に先駆けてはじめた町です。予防医療の先進地と言えます。医師の話を聞き、行政として「病気にさせない」と言う意思が明確です。医師への過重労働への配慮もなされていたようですし、オフの時間は釣りや、そば打ちなどこの町でないと味わえないアクティビティが楽しめるように工夫されているようです。このような町ぐるみの配慮も人気のようです。
望まれる医師像については、患者さんの訴えを十分に聞ける事と十分な診察時間と治療方針の説明ができる、治療上必要であれば専門医への紹介が適切にできる(時期や専門科)、幌加内町の場合は総合医や家庭医として働いてもらっている。住民との意思疎通をはかり、田舎生活を楽しむために地域で特技を持った人や趣味を持った人と仲良くなって欲しい。
最後に、医療と保健が連携できるように副院長が保健センター所長を兼務し、定期的に医療保健福祉連携会議を開催しています。住民の生活を守ると言う姿勢に筋が通っていて聞いていて気持ちの良い講演でした。多くの自治体が悩んでいる地域医療問題への解決への糸口が幌加内町の取り組みにあるように感じます。
ある町が視察に訪れ、議論を重ねたようですが自分の町にマッチしたシステムづくりができませんでした。視察するだけではなく、住民にとって必要な仕組みとは何か?医療と保健の赤字が問題であればそれを解消するにはどうすれば良いのかと真剣に各課が考え(当事者意識を持つこと、他課に振らない)ないと物事は進まないんだと思うところです。(すみとも)









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